少年ジャンプ 北斗の拳 そのときは来た 14巻 ジャンプコミック

少年ジャンプ 北斗の拳 そのときは来た 14巻 ジャンプコミック

S61年少年ジャンプ掲載
感想:
 北斗の拳で、トップ5に入るほど内容が充実し、おもしろい14巻である。
 レイがラオウに挑み、あえなく討ち死(すぐには死ななかったが)にし、ケンシロウがラオウを対等に戦い、トキによって一時休戦したシーン。
そして、この北斗神拳14巻に登場する雲のジュウザ、五車星のリハクがしかける罠をものともしないラオウ、美しいユリアの登場、北斗神拳の究極奥義夢想転生を身につけたケンシロウとラオウの戦いと目白押しである。
 気迫のこもった二人の戦いは、マンガでなければ、表現し得ない雰囲気を持つ。絵から受けるインスピレーションから頭の中で、ラオウとケンシロウの壮絶な戦いのイメージがふくらむ感じである。
 絵を見て震撼する。

 リハクの落下石の罠を片腕の拳で簡単に破壊し尽くすシーンは、圧巻だった。 

あらすじ:
黒王号を奪われたラオウは、ジュウザが必ず戻ってくると予想し、待つことにした。

フドウと別れ、最後の将のもとへ急ぐケンシロウ。

フドウは、親を亡くした子供たちの親代わりを務めていた。 ラオウの手下が、フドウの子供たちを人質にして、フドウを流砂の穴に誘い込む。

フドウが死を覚悟したとき、ケンシロウが戻ってきた。 ケンシロウは、フドウ、子供たちを助ける。

ケンシロウが子供たちを救う姿を見て、ジュウザは、ユリアが惚れた男の力量に安心する。

ラオウとの最後の戦いに戻ったジュウザ。

ジュウザは、まとっていた肩の防具を壊して砕き、上着を破き、上半身裸となって、無防備状態になった。 我の拳の神髄は背水。

ラオウとジュウザの戦い。 ラオウに一撃を食らわすが、みずからも両腕を損傷する。

もはやこれまで、覚悟を決めたように、両腕を広げ、十字のように立ち、最後のとどめをラオウに打たせようとする。

ラオウも武士の情けというように、渾身の一撃をジュウザの胸に当てる。

ジュウザは、これで最後と、あきらめたように見えた。

しかし、実は、これがジュウザの最後の罠だった。
ジュウザは、ラオウの渾身の一撃を受けながら、ラオウの腕に絡み、ラオウの腕を冥土のみやげにへし折ろうとした。

ジュウザの最後の力むなしく、ラオウの腕は、剛健であった。

ジュウザに秘孔を突き、南斗最後の将の正体をはかせようとしたが、体全身から血を吹き出しても正体をいわず、 「俺は、雲。俺は俺の意志で動く、俺は最後の最後まで雲のジュウザ」 と残し絶命する。

ジュウザの捨て身の行動に、ラオウは、南斗最後の将の正体に感づく。

一方、フドウは、ケンシロウに、南斗最後の将の正体を告げる。

ケンシロウに衝撃が走った。 ユリアは、南斗聖拳のシンによって、死んだと告げられていた。

身投げしたユリアのもとへ階段で下りるシン。

ユリアを見つけたシン。仰向けに横たわるユリア。

しかし、高層ビルから身投げした割に無傷であるユリア。

そこへ、五車星たちが現れ、ユリアが死ぬまで守り抜くことを告げる。

そして、ラオウがユリア奪いにくることをシンに伝える。

ユリアが死んだことにして、ラオウからの死を避けようと汚名をかぶるシン。
ケンシロウがユリアの居城にたどり着いたとき、ラオウもたどり着く。

ラオウは、剛拳で鋼鉄製の扉をぶち破って居城にはいる。

螺旋階段を黒王号で駆け上がるラオウ。 迎え撃つ、リハク軍であるが、ラオウと巨大な馬のひずめの前に全く歯が立たない。

仮面をかぶった女の前に立つラオウ。しかし、ユリアでないと悟ったラオウは仮面を砕き正体を暴く。 ユリアの影武者だったのは、リハクの娘トウだった。 トウは、意外にもラオウをしたっていたが、ラオウはトウの思いを拒否する。

トウは、自害することで、ラオウの思い出に残ると思った。

よりいっそうユリアへの思いを立ち上らせるラオウ。

次の間に入ったとき、リハクの罠が待ち受ける。 巨大な石が天井からラオウへめがけて落ちてくるが、ものともせずに、ラオウは、片腕をあげたままの状態で、巨大な石が落ちてくるのを待ち受け、石の自重でもって拳で砕く。 ラオウのまわりだけ、えぐったように巨大な石が床に落下した。

リハクは、ケンシロウとユリアが逃げる時間を稼ぐために、自らの命を犠牲にし、部屋中に罠をしかけた、

しかし、ラオウは、罠を自ら作動させて、罠が自分に通じないことを示し、時間稼ぎをさせない。

罠のひもをたぐり寄せ、部屋中から、弓矢、槍、飛び道具がラオウへ向けて飛び向かうが、ラオウは、畳返しのように、床を自分の防御壁にし、飛び道具などを防御する。

その様子を見たリハクは、青ざめる。 「むむう。」

ユリアとケンシロウは、ある部屋で落ち合う予定であったが、ラオウがいては平和が訪れないとして、ラオウとの決戦を選ぶ。

ユリアは、待つことが天命であるとして、ケンシロウを待つことにした。

リハクが、絞め殺されようとしたとき、ケンシロウがラオウの前に現れる。 リハクは、ケンシロウの拳力がラオウに及ばないと予想した。

ラオウは、ケンシロウへ剛拳を放つが、逆に、柱へ殴り飛ばされる。 ケンシロウの拳が、ラオウと同等か、もしくはそれ以上かもしれない予感が走る。

蹴りと剛拳を繰り出すラオウであるが、ものともせずにケンシロウは受け止める。 ケンシロウが蹴りを繰り出すと、ラオウもはじき返し、床に倒れるケンシロウ そこへ、ラオウが一撃を食らわそうと、拳を振り上げ、ケンシロウへ一撃を加えようとしたが、 ケンシロウは、蜃気楼のごとくかわす。

ラオウの剛拳が空を切り、床を破壊する。

ラオウは、北斗剛掌波を両手で繰り出すが、疾風のごとくかわし、ラオウの脇腹に、鋭い切り傷を与える。

レイの拳であった。 ラオウは、自分が繰り出した拳が当たっているはずと実感したが、 実体を空に消し去ったケンシロウの動きを見て、思い出す。

リュウケンが最後にいった、北斗神拳究極奥義、夢想転生ではないか。

「この世で最強のものは無」 ・・・ 「哀しみを背負った人間のみがなし得る」

北斗史上最強の男となったケンシロウの前に、精神は臆せずとも肉体が恐怖を感じたラオウ。

「武に生き覇者となるに一片の情けは無用」 とまでに、ケンシロウの生き方を否定したラオウ。

お互いに譲れぬ生き方であった。

ラオウが死を覚悟しつつ、ケンシロウに挑んだとき、リハクの残った罠が作動してしまい、床が破壊されて、ラオウは部屋から落下してしまった。

しかし、ラオウが落下した先に、ユリアが待っていた部屋であった。

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